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  • 2008.12.16 Tuesday
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金融検査マニュアルとは何だったのか

菊池教授が「中小企業を破滅に追い込む」と強烈に批判している金融庁の指針のもととなった「金融検査マニュアル」というものがあります。これがなぜどのように作られ、運用されるようになったのか、別の本からご紹介します。かなり省いたところもあるので^^;詳細についてはぜひ本書をご覧ください。

『エコノミストは信用できるか』東谷 暁 著 2003年11月発行 より


金融検査マニュアルの論理と現実(P.184)
(要旨)
99年7月から金融機関管理行政の中心的役割を担っている金融検査マニュアルというものがある。

このマニュアルは金融監督庁傘下のプロジェクトチーム、金融検査マニュアル検討委員会により作成された。チームの中心的役割を担ったのは、後に「竹中チームのエンジン」と言われた、KPMGフィナンシャル代表の木村剛である。

結果的に中小企業を破綻に追い込むことになったこの金融検査マニュアルは、アメリカ連邦準備制度理事会の『商業銀行検査マニュアル』を元としている。
その概要は、『金融機関が融資した企業の財務諸表に現れた赤字と債務超過を中心にして企業を区分けし、不良債権か否かを判断する。その債権のリスクの度合いに合わせて、銀行に貸倒引当を命じるもの』である。

ここで大事なことは、この『商業銀行検査マニュアル』は、自己資本比率は平均で45%前後であるアメリカの中小企業を想定して作られたものである、ということだ。そのため、このマニュアルがアメリカの中小企業に適用されても何ら問題はない。

しかし日本では事情が変わってくる。日本の中小企業では自己資本比率の平均は15%なのである。
これはアメリカに比べ日本が劣っているわけでは決して無く、日本とアメリカとの税制の違いから生み出された結果と言ってもよい。日本では資本と内部留保を蓄積するより、経営者や家族の資産として蓄積した方が税制上有利なのだ。

当然、施行前から日本の中小企業向け融資に『金融検査マニュアル』が適用されると、ほとんどの中小企業が問題企業のように見えてしまうということは危惧されていた。

ところが、金融庁は多少の語句を変えただけで、その「欠陥品」を現実の金融行政に用いていった。

木村剛氏は中小企業への過酷な金融行政になるとの憂慮を否定して次のように述べている。
「実際、検査官の関心は、中小企業向け貸出における数多くの小玉不良債権ではなく、ノンバンク、ゼネコンなどの巨額な不良債権の塊である。‥‥基本的にターゲットはバブルにまみれた大玉不良債権である。一千万単位の貸出が複数焦げ付いたところで銀行の屋台骨は揺るがない。だから、銀行監督あるいは銀行検査の立場からは、中小企業をいじめるという発想は出てこない」(「新しい金融検査の影響と対策」99年5月)

しかし、実際に起こったのは、大玉不良債権はいつまでも処理されず、小玉不良債権を次々と処理するという「中小企業いじめ」だった。
なぜ、こんなことになったのだろうか。


貸し過ぎだったから、貸し渋りは当然?(P.186)
(要旨)
不良債権処理を、単純に「貸した企業から返してもらう」ことであり、「回収できない金融機関はごまかしている」と捉えるエコノミストが多い。

竹中平蔵氏「『貸し渋り』減少は、かなり長期にわたって続く、構造的な問題」(「ソフトパワー経済」99年12月)
伊藤元重氏(東京大学教授)「銀行の資金の健全化と中小企業への潤沢な資金供給という二つのあい矛盾することを銀行に求めることは不可能」(静岡新聞、2003年5月21日)

しかし、こうした「貸し過ぎ」論は、あまりにも現場を知らない者の空論だと、竹内英二氏(国民生活金融公庫総合研究所)は指摘する。

「金融機関は、回収すべきところから回収するのではなくて、回収しやすいところから回収する。‥したがって、これはあまりに傍観者的な、中小企業の事情をまったく考慮していない議論であるといえよう」(「中小企業金融入門」2002年9月)

前述の木村剛氏は、マニュアルが実際には大企業に甘く、中小企業には厳しく使われるようになると、金融庁に批判的になり、大企業30社への甘い引当が問題だと言い出した。

「普通の場合、誰がどう考えても『まずは大手問題先30社の引当不足を解消せよ』と指示するだろう。まかり間違っても、『大手問題先30社の引当をすると、資金不足が明らかになってしまうので、中小企業1千社の方からやれ』などとは言わないはずだ。しかし、わが国の金融庁は、『まずは、中小企業1千社を直接償却して潰してしまえ』という方針を掲げている」(「日本資本主義の哲学」2002年9月)

木村剛氏のもともとの発想は『金融検査マニュアル』で「回収すべきところから回収する」ことを目指すものだったのだろう。

しかし、現実に起こったのは、木村氏が作った『金融検査マニュアル』の過酷な運用で、現実以上に否定的評価を与えられた、中小企業という「回収しやすいところから回収する」現象だった。


デット・ディスオーガニゼーションが日本を蝕む(P.188)
(抜粋)
まず、大手の銀行に巣くった大玉不良債権の処理を行って、しかる後に中小地域金融機関にちりばめられた小玉不良債権をの処理に取りかかるべきだという説は、小林慶一郎氏(経済産業研究所)からも提示されている。

「重要なことは、大手企業と中小企業で健全性の把握の方法を区別することです。大企業の融資は個々の企業の健全性をしっかり見ていけばいい。しかし、中小企業相手にそれをやると結局はどこにも貸せないということになってしまう。中小企業に対しては、融資審査とリスク管理の方法を根本的に変える必要があるのです」(「文藝春秋」2002年12月)

小林氏が提示している中小企業向け審査およびリスク管理は「銀行の支店ごとに、中小企業50社、100社をまとめて、全体を統計的にリスク管理する」。
この方法はすでに銀行やノンバンクの一部が取り入れており、これを中小企業向け融資に関して、一般的な方法にしようということだ。


りそな処理は木村プランの延長線上にある(P.192)より抜粋

いまだに竹中チームが提示した「不良債権処理」とは、「日本経済に巣くった不良債権をなくすこと」だと信じ込んでいる人が多いが、そうではない。
竹中チームの「金融再生プログラム」は、巨大な不良債権を抱えていつ何時破綻しかねない大手銀行のリスクを除去するための緊急措置に過ぎないのだ。

つまり根本的な景気回復策ではなくて、金融システム安定化策の一部なのである。

−−−−−

やはり、金融庁‥。
無くなってくれ、お願いだから。

大型不良債権を明るみに出し、銀行の健全化を目指すための施策が、中小企業いじめに変貌してしまう‥恐ろしい手口としかいいようがない。

成果主義、取り入れたんですかね?
大口でも小口でも不良債権なくせば、達成率が何%とか。

日本経済の未来、とか、国民生活の安定、とか、
そんな視点が全く欠けているから、こんな行政指導を平気でやるんじゃないですかね。

このブログの最初の方でも書きましたが、
経済は経営とは全く違うのです。もちろん家計とも。
支出を減らすことは、国民の収入が減ること、なんです。

‥あ、国自体の支出である「消費項目」はどんどん減らして結構、というか減らすべき!
人件費、高すぎですから!!

年収ラボ http://nensyu-labo.com/公務員の給料&年収」より



結局「財政改革」しても、官僚は自分たちの予算減らさないために、
すごいことやってるんですよね‥詳細はまたご紹介したいと思います。


JUGEMテーマ:経済全般



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