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成果主義は企業を破滅させる(1)

このブログのテーマ→ 「増税が日本を破壊する」

アメリカの主張をグローバリズムとしてむやみに取り入れた結果の日本経済の没落。
企業も同様にアメリカ型の競争を取り入れたその結果、散々な目にあっています。
この本の著者は、ソニーでCDの共同開発、AIBOの開発責任者をつとめた方です。
「ソニー神話」の頃のソニーはどのような状態だったのか。また、成果主義はなぜダメなのかについての主張を以下ご紹介。
(「日本財政」からは少しはずれますので、興味のない方はスルーしてください)

運命の法則―「好運の女神」と付き合うための15章
天外 伺朗 2004年11月25日発行 より

加速度的に幸運を呼び込む(P.79)

前章で「外発的報酬」(金銭や、地位、名誉などに対する期待や、処罰や不名誉に対する恐れ)中心の経営を「20世紀型」、「内発的報酬」(仕事、遊びにかかわらず内部にこみ上げてくる喜びや楽しさ)を「21世紀型」と呼んだのは、それぞれがほぼ後期自我[注1]、成熟した自我に対応しているからだ。当然後者の方が、より進化した意識レベルに対応している。20世紀型の合理主義経営を推し進めると人々は「フロー」[注2]に入れなくなるだけでなく、成熟した自我の段階まで成長した人を排除してしまうことになる。社内は、殺伐として競争社会になってしまうだろう。

人間は、意識の成長・進化が進むにつれ、戦う人生から次第に幸運にめぐまれた「フロー」中心の人生へ移行するというのが自然な姿であり、競争の中でしゃにむに闘っている間は、まだまだ未熟といえる。

いまの近代文明社会は、社会生活をきちっとこなしていくと、後期自我[注1]まで成長できる仕組みが、社会に内在している。つまり、そこまでは、ひたすら仕事に励むことで到達できるのだ。

しかし、後期自我から成熟した自我に成長するメカニズムはいまの社会の中にはない。そうなるためには、単に仕事をしているだけではだめで、瞑想などの何らかの宗教的修行か、サイコセラピーなどを受ける必要がある。(「深美意識の時代へ」天外伺朗著 講談社2002年)

ところが「深いフロー」というのは、瞑想と同じような至高体験を伴う。ということは、瞑想と同様に、意識の成長・進化を促進する効果があるということだ。(第4章)。

つまり、一度首尾良く「フロー」に入ることができると、意識の成長・進化が促進され、ますます「フロー」に入りやすくなる。加速度的に幸運を呼ぶスムースな人生になっていくのだ。

私自身が何度も経験した「燃える集団」[注3]でも、体験者が一様にひと皮むけ、精神的に成長したことが観察された。第2章で、AIBOの開発チームを「燃える集団」にするため、かつての経験者を呼び戻した、そいう話を書いたが、それは経験者の意識レベルのステージが、他者よりも一段上がっているからに他ならない。


社会レベルの進化とフロー(P.80)

いまの日本の社会で、初期のソニーのように恒常的に「フロー」が体験できるという場は、きわめて少ないだろう。

大多数の職場は低次元の不明瞭な雰囲気の中で、「外発的報酬」をめぐっての欲望が渦巻く「修羅場」と化している。そこでは、人々の意識レベルはなかなか成長しない。

企業や上司にべったり依存する人は、まだまだ多い。そういう人の意識レベルは、ほぼ中期自我だと思ってよいだろう。かつての日本型経営スタイルが、中期自我にとどまったまま一生を過ごす人を大勢育ててしまったのも事実だ。

一方のアメリカは、従業員を簡単にレイオフできる社会だ。アメリカ人は、友人をとても大切にする。それは、レイオフされたときに頼りになるのだ友人関係だからだ。

当然、企業に対する忠誠心は薄い。

つまり、中期自我で会社に依存していたら生きていけない社会なのだ。したがって、小学校の教育から、精神的自立を叩き込まれ、後期自我へ早く到達するように仕込まれる。

したがって、日本とアメリカの社会を比較すると、日本では中期自我の人が多く、アメリカでは後期自我の人が多い。それが冒頭に記したアメリカ人の方が自我(エゴ)が強い、という印象につながっている。

そう書くと、「ああ、やっぱり‥‥」と思う人が多いだろう。

実際、「日本社会がアメリカ社会より遅れているので早く追いつかなければいけない」と考えている人は大勢いる。だから、前章に記したように日本型経営が崩壊し、軒並みアメリカ型の合理主義経営が導入されたのだ。だが、これは、とんでもない間違いだ!

社会の進化の方向性は、はっきりとわかっている。その方向性に沿って、いくつかの指標を抜き出すことができる。

たとえば単位人口あたりの刑務所の収容人員数は、アメリカは日本の15倍以上に達する。

つまり、社会全体としては、中期自我の比率の高い日本社会の方が、後期自我の比率の高いアメリカ社会より進化しているのだ。それはなぜか。

じつは、日本社会は中期自我の比率も高いが、同時に成熟した自我の比率も高いのだ。つまり、アメリカ社会、とくにその富裕層が、後期自我のレベルに集中しているのに対して、日本社会は、中期自我、後期自我、成熟した自我と、広範囲に人口が分散しているのだ。

そのため、前記したように、日本型経営は「21世紀型」と「19世紀型」が併存していたのだ。そして、その「21世紀型」の部分が、「フロー」を通じて人々の意識を成長させ、成熟した自我の人口比率を上げてきたのだ。

もちろんその背景には、東洋の伝統というのが、もともと合理主義に凝り固まった西洋の伝統に比べて、成熟した自我を生みやすい土壌になっていた点は見逃せない。


[注1]人間の自我の確立にいたるプロセス(P75より抜粋)

初期自我→中期自我→後期自我→成熟した自我
順調に発育した場合には、初期に4歳、中期に7歳、後期に12歳ぐらいで到達する。
成熟した自我まで達する人は、今の社会ではきわめてまれである。


[注2]フロー(P.30、P33より抜粋)

1960 年代に当時シカゴ大学の教授だったチクセントミハイが提唱、「フロー」というのは「流れ」を意味する。
フロー状態の特徴
1.行為に集中、没頭している
2.浮き浮きした高揚感
3.雑念がほとんどわかない
4.時間感覚の喪失
5.自分自身の感覚を喪失している
6.その場を支配している感覚。自分が有能である感覚
7.周囲の環境との調和、一体感


[注3]「燃える集団」と名付けた現象(P.19より抜粋)

チームが夢中になって仕事をしていると、突然スイッチが劇的に切り替わることがある。
その状態になると、まさに怖いものなしになる。どんなに困難な局面を迎えようとも、必ず突破口が開かれる。新しいアイデアが湯水のようにわいてくる。必要な人と、まさに絶好のタイミングでめぐり会い、プロジェクトを成功させるのに必要な技術や部品が、まるでタイミングを見計らったかのように出現する。
まさに幸運の波に乗った状態になるのだ。


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成果主義は企業を破滅させる(2)

運命の法則―「好運の女神」と付き合うための15章
天外 伺朗 2004年11月25日発行 より

結果よりもプロセスが重要(P.87)
(抜粋)
よりによって、その大失敗をしたプロジェクトを、井深さんはしみじみと評価したのだ。つまり、そのプロジェクトで人が育ち、技術やノウハウが蓄積され、それがトリニトロンの成功につながった、ということだろう。

そのことに気づいてから、社内のプロジェクトを見る私の目は変わった。よくよく観察すると、一つのプロジェクトの成功の背後には、それを支えたおびただしい数のプロジェクトがあること、そして、そのほとんどは日の目を見ていない、ということがわかった。つまり、通常、陰で支えたこれらのプロジェクトは、誰にも認知されないのだ。

ロケットにたとえれば、三段目のロケットが人工衛星の周回軌道に乗るためには、空しく燃え尽きていった一段目、二段目のブースターロケットの働きが、どうしても必要だったのだ。

ただ、失敗したすべてのプロジェクトが、ブースターロケットになるわけではない。プロセスが問題なのだ。プロセスがよければ、いくつかの捨て石をへて、何段目かで周回軌道に乗れる。プロセスが悪いと、次へはつながらない。これは個人の人生でも同じだ。結果よりプロセスが重要なのだ。プロセスの良し悪しの判断基準のひとつは、「フロー」に入っているかどうかだ。

またこれはプロジェクトの評価だけでなく、人の評価にもあてはまる。

ひとりの人の成功は、きわめて大勢の人の努力に支えられている。彼らの貢献は、よほど注意して見ないと、気づくことはできない。仕事に直接関係していない人間が、実は深層心理的には皆のマインドを支えていた、ということも十分あり得る。


破滅に向かうコンサルタント(P.88)

第6章で述べたように、バブルがはじけ、多くの日本企業は人事評価や業績評価の改善に取り組んだ。そして、そのほとんどが、専門のコンサルタントを使った。。

コンサルタント会社は、現場のことをほとんど知らないが、頭でっかちなアメリカ流の合理主義経営のノウハウに精通しており、評価のためのマニュアルや、詳細な評価シートを提供し、公平で客観的な人事評価の方法を教授している。あるいは、「360度評価」と称して、上司からだけでなく、部下や同僚からも評価を求めて公平を期する、という方法も盛んだ。

業績評価に関しても、投下資本コストを含めて、最も合理的な評価は何か、ということに関して莫大なノウハウがある。

しかしながら、第6章で記したように、これらの精緻な人事業家や業績評価を導入した企業が、軒並み社内の活力を低下させ、業績をさらに悪化させた。私は、それを「セーフベース」と「フロー理論」で説明したが、じつはもうひとつ理由がある。

これらの評価法は、三段目のロケットの結果のみに注目している。一段目、二段目のロケットの貢献に気付いていないのだ。

結局、精緻な評価法を導入すればするほど、人々は三段目のロケットで結果を出すことしか考えなくなる。一段目、二段目の役割をになって、地道な努力をする人がいなくなり、その企業は周回軌道までロケットを打ち上げることが二度とできなくなってしまう。

何のことはない。莫大なコンサルタント料を支払って、破滅に向かう指導を受けてしまったのだ。

合理主義を追求すると、えてしてこういうことになる。

いまの世の中は、何事によらず、論理的かつ合理的に追求しなければ気が済まない、そして、すべては言語で記述できると錯覚している。合理的ではない判断を「山勘」といってさげすむ傾向がある。

ところが、本当のところは、論理や言語で記述できるのは、物事のほんの表層のみであり、宇宙の営みには「共時性」に見られるような、はかり知れない深さがある。

その宇宙の深層部に触れるのは、論理や言語ではなく、研ぎすまされた直感だ。したがって、自分自身の内側からこみ上げてくる声に、どれだけ忠実に耳を傾けられるかにかかってくる。

人事評価や業績評価でいえば、コンサルタント会社が提供する合理的な評価法を導入すればするほど、内側からの声が聞こえにくくなってしまう。

このあたりは、「外発的報酬」を強化すると、「内発的動機付け」が抑圧され、「フロー」に入りにくくなる、というのに似ている。


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成果主義は企業を破滅させる(3)

運命の法則―「好運の女神」と付き合うための15章
天外 伺朗 2004年11月25日発行 より

運命に「貸し」を作る(P.90)

私は、大企業に40年間勤務してきたが、公平かつ客観的で合理的な評価など、そもそもあり得ない、という立場を貫いてきた。だから、マネージャーに対しては、こう言ってきた。

「無理矢理、公平であろう、とか、客観的であろう、とか考えなくてもいいよ。評価というのは、どうせ主観的なものだから、自分の思った通りを、自分の生命をかけてズバッと書きなさい。ただ、常日頃から、自分の気持ちの中に、不純な要素はないか、よこしまな想いはないか、チェックする習慣を身につけておくといいと思うよ」

つまり、会社の人事部が提出する精密なチェックシートなどは一切無視して、自分の直感を信じて、自分の責任でズバッと評価しろ、ということだ。

ただし、だからといって好き勝手にやっていいわけではない。そのときの自分の心の中に、嫉妬、怒り、怨嗟、陰謀など、低次元の想いがないことが重要だ。

「不純な、よこしまな動機で、評価に歪みが入ると、結局はめぐりめぐって、自分のところに返ってくるよ」

これは、明らかに脅しだ。脅して、「純粋になれ」といっている。根拠はないのだが、この話の背景には「カルマの法則」というものがあり、日本人の心の深層に根付いているのだが、これについては次章で触れたいと思う。

日本人の心の根底には、「因果応報」的な考え方が、びっしりとこびりついている。

だから、結構この手の脅しがきくのだ。

一方、評価される側の従業員には、こう言ってきた。

「そもそも、客観的で公平な評価などは、この世に存在しない。だけどもし、自分が不当に低い評価を受けたと思ったら、がっかりしたり、怒ったりしないで、本当は喜んでいいのかもしれないよ。なぜならあなたは、そこで運命に『貸し』を作ったことになるからね。それに見合った好運がそのうち絶対やってくるはずだよ」

まことに怪しげな話だ。一流企業の、博士号を持った重役の話とは到底思えない。まるで新興宗教か、場末の占い師だ。おまけに聞いている方は、世界的にトップクラスの高学歴のエンジニア達なのだ。反発があっても当然なのだが、皆は妙に納得してしまう。

人間は老若男女、学歴の有無、地位の上下、洋の東西を問わず、「運命の神秘」に対するほのかな憧憬を必ず抱いているものだ。

運が悪かったときに、泣き叫んだり、ジタバタしたりしないで、それを淡々と受け入れると、いつかは好運が訪れる。つまり、運命に「貸し」をつくると、やがてそれが返ってくる、という話は、表面的には荒唐無稽なのだが、皆の心にはストンとおさまる。

20世紀の企業経営は、理性と論理でガチガチに武装していないとやっていけなかった。21世紀にはもっと目に見えない部分に注目することが要求されよう。たとえ言語でうまく表現できなくとも、宇宙の深層部の流れを大切にする、ということだ。

そのためには、理性による論理回路をオフにし、直感の回路を音にする必要がある。ただし、そのときに心が純粋な状態になっていないと、直感に頼ったつもりが「思いこみ」と「ひとりよがり」の偏った判断になってしまうので、注意を要する。直感を使うには、心を純粋にする訓練を積まなくてはいけない。

面白いことに、これらのポイントは「フロー」に入るためのコツとまったく同じだ、どうやら、このあたりに「21世紀の企業理念」の秘密が隠されていそうだ。


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