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識者たちの「ウソ」 吉川洋氏、本間正明氏、ニュースキャスター

識者たちの「ウソ」

小泉デフレ政策を支持し、国民を大増税に追い込んでゆく識者の見解にも、事実に反すること (ウソ)が多く見られる。代表的なものを見てみよう。

(1)「現在の日本はいざなぎ景気を超える景気拡大」 (吉川洋東大教授、経済財政諮問会議議員、ほか一部の新聞)

平均給与が7年間連続してダウンしている国民にとっては、狐につままれたような言葉であろう。「いざなぎ景気」とは、高度成長時代の1965年11月から1970年7月までの57カ月間、景気が拡大し、名目GDPが年平均17.3%増加、実質成長率が11.6%(GDPデフレーター=総合物価上昇率は年平均5.7%)であり、この間、名目GDPは2.2倍、税収は2.2倍に伸びた名実ともに高度成長である。この時期と現在とを同様に見る根拠のキーワードは「GDPの実質成長率」である。実質成長率が伸びていれば景気は拡大しているという論理だ。

ところが、ここには数字の詐術がある。いざなぎ景気時代はゆるやかなインフレである。それに対して現在の日本はデフレ。「GDPの実質成長率」は「名目成長率マイナス物価上昇率」で表される。デフレ時代は「物価上昇率」がマイナスなので、デフレが深刻であればそれだけ見せかけの実質成長率はプラスになる。まさに「数字のマジック」である。

実質という言葉に惑わされてはいけない。デフレのもとでは「実質成長」は一種の幻想に過ぎない。吉川教授や一部の新聞は、現在の「景気拡大はいざなぎ景気越え」などというが、それならなぜ国民の債務負担が増加し、政府が増税するのか。

(2)「ケインズ経済学は幻想にすぎない」(本間正明大阪大学教授、経済財政諮問会議議員)

同氏は「ケインズ幻想はいまや日本だけ、世界の経済理論は転換している」(「週刊ダイヤモンド」2003年8月30日号)と述べ、緊縮財政を支持する見解を述べている。国民にとってはケインズだろうと、マルクスだろうと、市場原理だろうと関係なく、緊縮財政で長期停滞に悩む経済をどのようにして活性化するかが問題なのだが、ケインズの考え方が今でも世界で支持されていることは明らかにしておく必要があろう。

2001年にデフレ懸念が出たアメリカでは、大幅な減税を実行し、いち早くゼロ金利政策を採用して、需要喚起政策を取った。これは、「需要不足のときには、政府が思い切った需要喚起政策を取るべきだ」というケインズの考えそのものであり、アメリカこそ今でもケインズ経済学を最大限活用して、景気回復策を進めている国である。

(3)「政府の債務は全額返済すべきである」

最近、テレビや新聞に出てくる識者やキャスターのなかに、「政府の債務はもはや一千兆円に達し、全額返済するにはxx年もかかる。支出を抑えて、全額返済すべきだ」とコメントして、驚いてみせる人がいる。これはむしろ滑稽な間違いである。

名目GDP成長率が純債務の増加率よりも大きい限りにおいては、政府純債務の国民負担率は減少してゆくので、政府の債務はいくらであっても問題はない。政府債務の総額を引き下げるというのは倫理的目標(借りたカネは返そうといったレベルの)であって政策的目標ではない。個人とちがって政府は借金をゼロにする必要はなく、「政府純債務の国民負担率」を長期的に引き下げていくことができれば、それでよいのである。

(4)「国の財政赤字は家計の赤字と同じで、収入を上回る支出は削減すべきだ。国債残高を子供に引き継がせてはならない」

予算案が決定されるたびに、新聞やテレビに登場する意見である。しかし、(3)でも述べたように政府の赤字と家計の赤字は本質的に異なるのだ。

あえて家計にたとえるならば、日本の国債は親が子どもからおカネを借りるようなものである。というのも、日本の国債ほその95%が国内で消化されているからだ。日本国民から借りたおカネが日本国民のために投資され、いずれ償還されておカネは国民の懐に戻る。もちろん、利息も日本国民に支払われる。これが大部分を外国人に持たれているとしたら、親がした借金を子どもが払わせられるという構図が成り立つが、いまのところその心配はない。このように内国債で資金が調達された場合、それが有効な投資先に投資されているかどうかが問題であって、残高だけを論じるのは、本末転倒である。

(5)「これからは高齢化社会になる。だから国債の発行は抑えるべきだ」

最近出てきた危険な間違いである。高齢化社会と少子化に向かう今こそ、社会資本の充実と生産性向上のための投資を前倒しして、実行すべきである。人口が減ってゆくとしても、労働者一人当たりの資本投入率が高くなれば、生産性は向上し、名目GDPの成長率を維持することはできる。だから、将来の生産性向上のもとになる効率的な公共投資は、本格的な高齢化社会がくる前に前倒しで実行したほうがよいのである。

(6)「新規国債の発行額を金額でXX兆円までとすべきだ」

財政規律の指標は、「純債務を名目GDPで割った数字」とすべきであることは、すでに述べたとおりである。経済活動は日々動いているので、債務の限度を金額で決めても、達成できるわけがない。アメリカでも金額で財政目標を設定しようとして、失敗に終わっている。そのほか、「粗債務」だけの残高を見て、「日本の財政は破綻状態だ」と判断したり、「日本はアルゼンチンのようになる」といった見当違いの考え(大ウソ)もある。これらはあげていくとキリがないので、興味がある向きは拙著「増税が日本を破壊する」(ダイヤモンド社)を参照されたい。

サラリーマン大増税の嘘を暴く
財務省が喧伝する「財政危機」宣伝に騙されるな
経済学者 菊池英博教授
文藝春秋2006年3月号
JUGEMテーマ:経済全般



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