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金融庁と新聞が妨害する日本経済の発展

『増税が日本を破壊する〜本当は「財政危機ではない」これだけの理由〜』菊池英博 著 2005年12月1日発行 より

デフレが国民生活を崩壊させている(P.63)

2001年度からの小泉構造改革によって、デフレは国民生活に深く浸食してきている。ここで、その実態をみてみよう。

われわれの生活に直結するデータをみると、すべてのデータが2001年度から急速に悪化している。家計の可処分所得(手取り所得)をみると、2000年には25兆円も余っていたのに、2003年にはついに3兆円の赤字に転落してしまった。2000年には9.1%であった家計の貯蓄率は、2001年に6.7%まで急落し、2003年には若干戻ったものの、なお7.8%にとどまっている。

貯蓄率の低下は高年齢化によるところもあるであろう。しかし、家計を担う国民の可処分所得が7年間も連続して減少しているところからみて、国民はデフレで所得が減り、必死に貯蓄を取り崩すなどして生活防衛につとめているのである。


貧富の差が拡大、家計の24%が貯蓄ゼロ、失業率の実態は10%(P.64)

身近な問題をみてみると、国税庁の民間給与実態調査では、サラリーマンの給与は過去7年連続で減少しており、家庭の約4分の1が月収20万円以下である。また、預貯金を保有していない世帯が23.8%もある(金融広報中央委員会調査、2005年10月発表)。当然、貧富の差が拡大している。また、国民年金についてみると、国民年金保険料の未納率も2001年から急上昇しており、年金保険料を納めない人の65%が「経済的に支払いが困難」と説明している(社会保険庁)。国民年金保険料未納問題の本質は、デフレにより低所得者が日々の糧に追われ、年金保険料の支払いまでの余裕がなくなっていることにある。

デフレの時代には、安定した収入のある人は安く物を購入できるので幸せであろう。しかし、経済全体としては雇用機会が減り、経済規模の縮小が国民生活を浸食していき、いずれは高額所得者にとっても収入の減少となって、大きなマイナスになる。

経済発表の失業率は、2002年の5.5%から2005年7月には4.4%に改善したと報じられている。しかし、失業率の実態はこれよりもはるかに高いとみられている。堀内光雄氏(元自由民主党総務会長)は、若年層で雇用統計に入らないフリーターや、学校は卒業しても就職、進学、職業訓練を受けていない人々(「ニート」と言われる)、中高年層で退職しても雇用機会を求めている人々などを加えると、失業率の実態は10.1%に達すると分析している。とくに1年以上の失業者が120万人を超えるのは、ゆゆしき状況である(「雇用のニューディールが必要」『国際経済研究』2004年2月号)。

また、正社員が減少しており、1999年には雇用者全員に占める非正社員比率は28%であった。しかし、2003年には一挙に7%ポイントも上昇して35%に達している。従来からサービス業では3人のうち2人は非正規社員である企業が多かったものの、ここ数年間の特徴は、製造業の生産工程や労務職・保安要員までも50%超が非正規社員と伝えられ、これが工場の保安体制の弱体化となり、事故が発生する一因であると言われている。


雇用機会を潰す金融庁行政(P.65)

また、若年フリーターが急速に増えており、実質失業者であるニートも含めれば、若年層の失業率は40%近いと推測されている。フリーターの生涯賃金は5200万円程度と推計されており、正規社員の4分の1で、27歳での収入が最高賃金といわれている。これでは結婚して子供を持つ安定した家庭など築けない。小泉デフレと構造改革が少子化を促進しているのである。

若年層の雇用機会を減少させている大きな原因が、金融庁の貸出資産査定方法にある。金融庁は、銀行の貸出先の資産査定をする場合に、企業の含み損を表に出させて資産査定をし、若干でも業績が思わしくないと、すぐに企業の潰しにかかる。また、人員を整理させ、新規雇用を妨害する。

戦後、日本の高い技術と雇用を支えてきたのは、中小企業であり、たとえ不況で赤字でも、将来に備えて新卒者を採用し、訓練して有為な人材に育て、景気好転のときには生産に寄与してきた。これが今日までの技術立国、日本をつくってきたのである。

こうした長年のよき気風を破壊しているのが、金融庁行政である。とくに中小企業は新規に職員を採用することが難しくなっている。含み損を表面化させて、雇用まで抑制させ、家庭の崩壊にまで追い込んでいるのが金融庁行政である。まさに「国家を破滅させる」悪政である(第3章参照)。

従来はあまり意識してこなかったROA(資産運用利率)やROE(自己資本利益率)を経営指標として重視するため、「将来のために若年層を採用しておこう」といった気風が失われてきている。日本は日本の伝統にあった独自の判断で、雇用を守り、国を守るべきであろう。


自殺者数最悪、社会不安の増加、凶悪犯罪の多発もデフレが原因(P.67)

警視庁によれば、日本の2003年の自殺者は3万4000人を突破し、はっきりしているだけでも、そのうち4分の1は「経済苦」が原因であり、そのたでもデフレによる社会的抑圧感が善良な国民までも死に追い込んでいる。とくに中小企業の経営者は、「苦しさを社員に打ち明けられないし、銀行に話せば融資を止められてしまう」と嘆いている(読売新聞、2004年7月23日)。ここでも金融庁行政の残酷ぶりがよくわかる。1960年代に交通事故の死亡率が1万人を超えたときは、政府が国を挙げて事故防止のキャンペーンを行い、交通安全の認識が広まっていった。しかし、これほど自殺者が増えていても、税府は「存ぜぬ、関知せず」だ。

デフレはさらに国内の社会不安を広げ、凶悪犯罪を激増させている。ここ3年間、警察は犯罪取り締まりの人数を7万人増員した。しかし、犯罪件数は35万件も増加し、一段と凶暴化してきている。元警視庁長官の国松孝次氏によると、「最近における犯罪の増え方は、従来の日本社会の有り様からは考えられない姿になっている」という。小泉デフレ政策は日本の伝統的な社会システムまでも渦している。これは、戦前の昭和恐慌(1930〜1931年)のときにもあった現象であり、この点からみても小泉政策は歴史の教訓を忘れてしまっている。戦前の日本は貧乏国(債務国)であった。しかし、現在の日本は世界一の金持ち国家(債権国)でありながら、自分の国で自分のカネを使おうとせず、国民生活を崩壊させている「不思議の国」で「愚かの国」である。

これでは所得税が増えるはずがない。だから、政府には大増税しか道がないのである。


景気のいい話は一部の大企業だけ、偏向する新聞情報(P.67)

こうしたなかで、新聞には「ボーナス支給額が3年連続で増えた」「設備投資は過去最高」といったニュースの見出しが躍り、いかにも経済が好調であるかのような記事がみられる。これは主に大企業を調査対象にした統計であり、中小企業は無視されている。最近ではこうした傾向が強い。

政府内の経済財政諮問会議の民間委員が、大手企業の連合である「日本経団連」の会長と優良企業の経営者の個人的な連合体である「経済同友会」の元会長で占められ、企業の99%、勤労者の98%を占める中小企業の代表である「日本商工会議所」の会頭がはずされていることも大企業偏重の傾向を強めている一因であろう。


JUGEMテーマ:経済全般



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