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虚妄の構造改革の落とし穴

『増税が日本を破壊する〜本当は「財政危機ではない」これだけの理由〜』菊池英博 著 2005年12月1日発行 より

財政支出を増やせば債務負担は減少する(P.77)

1930年第における日米の政府債務の国民負担率を調べてみよう。分子の「政府債務」を分母の「名目GDP」で割ると、この数値は「財政規律」を表す。この数値が一定期間後に減少していれば、債務の国民負担は減少するのである。

アメリカのケースでは、1929年から1933年にかけて、緊縮財政で名目GDPが減少し、政府債務が増加したので、政府債務の国民負担率は急上昇した。しかし、1934年からの財政支出の増加で景気が回復し、名目GDPが上昇したために、税収が増加し、政府債務残高の伸びが鈍り、政府債務の国民負担率は減少していった。

日本の場合も同じ事がみられる。緊縮財政をとった1930年から1931年までのこの数値をみると、グラフは右肩上がりに急に上がっており、緊縮財政の強行で、政府債務の国民負担率が上昇した。しかし、1932年度からの高橋財政による財政支出の増加で景気が回復し、物価が上がり、名目GDPが増加し、税収が増えて、政府債務残高の伸びが鈍り、政府債務の国民負担率は増えなくなった。

つまり、政府が緊縮財政をとれば、名目GDPが減少し、財政赤字が拡大し、政府債務が増える。したがって、政府債務の国民負担率は右上がりに上昇する。しかし、財政支出を増加させて景気を振興すれば、分母の名目GDPが増加し、税収が増えるので、政府債務の増加が減り、分子の政府債務残高の伸びが鈍る。こうして、政府債務の国民負担率は低下していく。つまり「財政支出を増やせば債務負担率が一時的に増えることはあっても、必ず減少していく」のである。

1930年代の日米両国のデフレ脱出作成は、今日のわれわれに多くの教訓を与えている。すでに冒頭で要約したとおりで、デフレのもとでは絶対に緊縮財政をとってはならないのである。


大恐慌と同じ落とし穴に落ち込んだ現在の日本(P.79)

小泉構造改革は、以上の歴史的教訓を無視して緊縮財政を強行しており、結果は財政赤字の拡大と政府債務の増加である。日米の大恐慌時代と現在の日本との違いは、現在の日本では日本銀行が金融緩和政策をとっていること(実態は金融庁行政によって金融引き締めに近い状態である)、緊縮財政(投資関連支出の削減)といっても一挙に落とさずに徐々に削減していること、国民に蓄えがあり、国民はこれを切り崩して消費に充てていることである。これが、大恐慌のときのように一挙に名目GDPが落ち込まず、じわじわと落ち込んでいる理由である。公共投資の金額は、2000年度を100として2005年度は80まで落ち込んでおり、さらに民間設備投資額は名目ベースで2000年度を100とすれば2004年度は90にすぎず、こうした投資不足が雇用を減らしている。

その結果、名目GDPが減り、GDPデフレーター(1930年代の卸売物価に相当する)は7年連続してマイナスで推移し、財政赤字が増え、政府債務が増加している。小泉デフレと1930年代の経験を比較してみると、小泉デフレは速度が緩やかであるとはいえ、その流れは1930年代の大恐慌時代のときと同じように推移している。

1930年代の大恐慌はアメリカで3年4ヶ月、日本では2年で終わった。しかし、現在の小泉デフレは、すでに4年を経過しており、大きな「落とし穴」に落ち込んで、もがいている。貴重な1930年代の教訓を無視し続ければ、税収が激減するはずで、ここで、大増税をすれば、経済規模(名目GDP)がさらに縮小し、かえって税収が減り、さらに深い穴蔵に落ち込んでいくであろう(第4章参照)。

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