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グローバリズムは冷戦終了後のアメリカの世界戦略

『増税が日本を破壊する〜本当は「財政危機ではない」これだけの理由〜』菊池英博 著 2005年12月1日発行 より

グローバリズムは冷戦終了後のアメリカの世界戦略(P.88)

日本で、グローバライゼーションとかグローバリズムという言葉が頻繁に使われるようになってから、ほぼ10年が経過した。この2つの言葉は、今でもよく混同して使われる。しかし中身が違う。

グローバライゼーションとは、通信技術の発達で地球が狭くなり、衛星を利用した電波で、情報が一挙に地球の隅々まで行き渡り、これにともなって地球規模での一体化が随所でみられるようになったことである。

グローバリズムというのは、1990年代に入り冷戦に勝ったアメリカが世界を支配していくための戦略として、「アメリカで行われていてることはすべてよいことで、国民の幸福につながる」という謳い文句で、各国に伝達し、経済の自由化と規制緩和を要求してきたことである。

その伝播の方法は、アメリカで学んだその国の識者やマスコミ(とくにテレビ、新聞)を活用して、アメリカニズムの良さを宣伝していくもので、その基本は「規制緩和や自由化を推進していけば、市場が拡大し、必ずその国の利益になる。国家主義を超えた経済活動や個人的行動が世界的に広がり、各国とも民主主義、自由主義、市場経済を享受でき、それがさらに国益を生み出す」という考えである。

これは一種のイデオロギー(理念、哲学)である。規制緩和、金融の自由化、取引の拡大によってアメリカに利益が落ちる仕組みをつくっていこうとするものである。ドル価値は、その国との政策協定で安定化していくとの考えである。こうしてアメリカは世界各国に構造改革を要求してきたのである。

日米関係を振り返ると、1980年代の日米貿易摩擦、その後の日本構造協議などで、貿易摩擦の運用が協議された。しかし、アメリカと日本の貿易赤字は解消されず、貿易赤字を解消するためには、日本の社会構造そのものを変えるべきだとする方向に変わった。

当時、アメリカが日本に構造協議を要求してきたときに、日本政府も世論も批判的であった。ところが、1990年代に入り、アメリカは世界各国にグローバリズムを宣伝し、構造改革を要求していきた。日本では当初、国内では批判的であった。

しかし、不況が長引くにつれて、日本のエコノミストや経済評論家が構造改革論を唱え始めた。こうして、日本にとって最悪のタイミングで、アメリカ流のグローバリズムに迎合した構造改革論が出てきたのである。

−−−−−

「資本主義は花火のように爆発する!」で注目を浴びている、ラビ・バトラ博士が日本が進むべき道について、1996年(!)に語ったインタビューを発見しましたので転載します。なんと「アメリカの経済学者の話や、自由貿易提唱者の話を聞いてはいけない」と断言されています。

−−−−−

新しいシステム−現代を問う(11)1996年2月 より抜粋
http://www.mskj.or.jp/chinika/9602cnk3okada.html

自由競争は消費者にとってマイナスである

岡田
 先生のお話は、現在、日本で議論されているものとは全く反対のものですね。まず、終身雇用制は完全に崩壊の一途をたどっていますし、規制緩和は日本経済の再活性化を図るにはどうしても必要だという論調になっています。その他の保護の問題も同じです。

バトラ
 先ほど、私は「保護」と言いましたが、これは国内での保護主義という意味ではなくて、外国との競争に対する保護主義という意味です。つまり「競争力のある保護主義」というものです。「競争力のある保護主義」というのは、国内市場では競争は非常に厳しいけれども、対外国においてはそれほど厳しくないというものです。外国との競争が激化してもいいものは2つだけです。技術分野における技術の移転と、金融上の投資、この2つだけです。私は、テレビをつくっているような家電業、つまり労働集約的な産業は低賃金化から保護すべきだと考えています。

 これに対して、保護主義は消費者のマイナスとなり、自由競争は消費者を助けるという論がありますが、そういう議論は政府を運営するのにお金がかからない、コストがかからないというときにのみ有効です。  わかりやすい例を挙げましょう。

 たとえば牛肉1キログラムを200円で輸入すると仮定します。ところが政府が輸入関税を50%掛けるので国内でそれを買おうとすると300円になります。ここで消費者は1キログラムの牛肉に対して300円支払い、そのうち100円を政府が歳入に入れます。

 そこでよく言われている議論は、自由貿易にして輸入品に関税を掛けなければ消費者は喜ぶ、消費者のプラスになるというものです。

 しかし、私の話を聞いていただければ、この論拠が間違っていることがすぐにわかるはずです。関税が廃止されたとしましょう。すると日本の消費者は1キログラムの牛肉を購入するのに200円を払います。したがって政府にはそれまでは入っていた100円の歳入が入ってこなくなります。政府は入ってこなくなった100円をどこからか調達しなければなりません。そこで国民に所得税あるいは何らかの形で税金を課し、徴収します。ですから、消費者のプラスになるというのは、政府の運営が無料、あるいは税金の形で徴収せず、ほかに何か財源を持つときに限っての話です。

 いまは関税を撤廃したらどういうことが起こるのかという視点で話しましたが、それはまた、政府が産業、たとえば農業を保護するのは少しも悪くないということでもあります。仮に政府が保護しなかった場合、何が起こるかと言いますと、農業に従事する人々はより貧しくなり、国は国庫助成金か、あるいは支援金といった形で、何らかの財政的援助をしなければならなくなります。するとそのお金はまた消費者からか、あるいはどこかの財源から税金という形で取ってこなければなりません。そして、そういう場合、必ずしわ寄せがくるのが消費者なのです。

 ですから消費者に利益をもたらすには、ある程度、政府による農業、産業の保護が必要です。いまのところ、日本はまだまだつりあいのとれている経済状態ですけれど、アメリカのほうは完全に崩壊しています。それで、そのバランスの崩れたアメリカで一体何が起こっているでしょう。貧富の差はますます激しくなり、ホームレスと呼ばれる人々が町中に溢れています。

 とにかく日本は、アメリカの経済学者の話を聞いたり、自由貿易提唱者の話を聞いたりせず、成功した自身の歴史を振り返って、それを再度、踏襲していくべきです。


アメリカの消費者もハッピーにはならなかった

岡田
 最近、日本では、自由貿易とか規制緩和というのが時代の潮流ですので、先生の理論はほんとうに新鮮です。とはいえ、現実はすでにそれとは反対の流れにあり、衣料品や食料品といった、いわゆる労働集約的な産業はほとんど海外で生産するか、あるいは海外からそのまま買うという形で日本人は生活しています。そしてこれはそのまま産業の空洞化につながり、有力企業はどんどん海外に出ています。

バトラ
 ええ、ですから私が強調しているのはまさにその点です。「日本よ、日本の国民よ目覚めよ」ということなのです。60年代にアメリカの経済学者が、国とアメリカの国民に対して同じことを約束しました。
 「自由貿易を導入し、米を輸入すれば、アメリカの生産性は上がり、人々は効率よく働けるようになり、物価は下がり、消費者はハッピーになる」。

 60年代のアメリカの経済学者はこのように言いました。確かにひとつを除いてすべて、彼らの言ったとおりになりました。それは何か。消費者はよりハッピーにはならなかった、のです。

 なぜ消費者はハッピーにならなかったのか。確かに物価は下がりました。しかし、物価が下がる以上に消費者の賃金は上昇しなかった。そういう意味で、関税もある程度下げられました。しかし、その分、所得税として徴収された。ですから消費者はハッピーにはならない。どうして物価が下がったのに実質賃金はそれ以上に増えなかったのかと言いますと、政府が製造業を保護しないために、外国との競争に負けてしまったからです。

 結局、国の経済バランスが取れていなければ、どんな成功物語も存在しません。

JUGEMテーマ:政治



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