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改造すべき「構造」とは何か(5)

『エコノミストは信用できるか』東谷 暁 著 2003年11月発行 より


日本は高コスト経済だから没落する?(P.126)
(要旨)
この「内外価格差」論は、さらに「高コスト経済」論として論じ続けられた。日本経済は製造に高い費用のかかる「高コスト経済」だから、産業は「空洞化」する。それを阻止するためには、日本経済を「低コスト経済」にしなくてはならない、といういうわけである。

この議論は、想像されるように、竹中平蔵氏、香西泰氏、中谷巌氏、などを中心に唱えられた。
中谷氏は、日本経済は「高コスト」だから、何らかの形で解消しないと産業空洞化を導くと主張。(「日本経済の歴史的転換、東洋経済新報社、96年4月)
香西氏は「内外価格差の問題は、日本国内における、ある産業の存立、存亡にかかわる問題に転換」したと論じた。(「論争」96年9月号)

香西氏の「高コスト」論における矛盾をついたのは、当時、長銀総合研究所副理事長だった吉冨勝氏だった。
「大きな問題点は二つある。一つは円高と高コストの因果関係についての考え方が堂々巡りになっていること。もう一つは、貿易に比較優位説を忘れ、絶対劣位説とでも名付けるべき考えに陥っていることである」(「論争」96年11月)

吉冨氏によれば、中期趨勢的な貿易収支は、構造的な「投資・貯蓄バランス」で決まり、また、円高や円安かの為替レートは、それぞれの国のインフレ率の差で決まるという。小宮氏と同じこの前提からすれば、日本が円高になっているというのは、他の国に対して貿易財の生産性を上げてインフレを低く抑えているからにほかならない。
それなのに、なぜ日本を「高コスト経済」といえるのか。

また、貿易についても、これまで花形産業であった自動車や家電などが海外に生産拠点を移しているので、日本産業は空洞化しているかのような印象をもつが、現在、日本の輸出の中心はロボットや液晶・電子デバイスなどに移りつつあるという。こうした現象は「空洞化」と呼ぶべきものではなく、リカード以来、論じられてきた貿易の「比較優位」による産業構造の調整にほかならない。したがって、これまで花形だった産業がいつまでも国内のとどまるべきだと考えるのは、貿易の原理を忘れた議論だということになる。


「私の高コスト論は仮説である」 (P.128)
(要旨)
リカード以来の「比較優位」説について
イギリスがスペインに毛織物を輸出、ワインを輸入する場合
一見、イギリスの毛織物産業の生産性がスペインの毛織物産業より高いからだと見なしがちだが、実はそうではない。
スペイン国内において、ワイン産業の生産性が毛織物産業の生産性より高い。
イギリス国内において、毛織物産業の生産性がワイン産業の生産性より高い。
この場合に、
イギリスは毛織物を輸出、スペインはワインを輸出したほうが、
世界全体でみれば、富はより多くなる。

上記の比較優位が成立するには政府などの介入がない完全な自由貿易であればという条件が必要となり、産業によっては成立しにくい、などの議論もある。

しかし、戦後の日本やアメリカの産業構造の変化をみれば「比較優位」によって構造調整が促されてきたとみなすことができる。

吉冨氏に対する香西氏の反論は「私の議論は確立された真理を説くものではない。むしろ問題や仮説を適するのがねらいだ」(「論座」97年1月号)
こうした香西氏の議論には矛盾がないのだろうか。


JUGEMテーマ:政治



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